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リング
鈴木光司リング (角川ホラー文庫,1993年) [角川書店,1991年]
ISBN4-04-872645-5/4-04-188001-7

鈴木光司の話題の3部作をまとめて読んでみました。

この『リング』は3部作の第1作ですが、著者の後書きによると、この作品を書いた時点で2作目以降の構想があったわけではなく、あくまでも単独の作品として書かれたようです。実際、この『リング』だけでストーリは完結しており、3部作の初めだということを知らなければ独立した作品として楽しめます。

ビデオが人を殺す? という奇想天外なストーリーですが、グイグイと引き込む力が漲っていて、ドキドキしながらあっという間に読み終えてしまいました。

荒唐無稽な物語なのにリアリティを感じるのは、ひとえに作者のディテールへのこだわりから出てくる迫真性です。終わり近く、登場人物の一人が心筋梗塞で死ぬ場面を本人の目線で描写している部分があります。普通の作者だったら、「異様な激痛に胸をかきむしって息絶えた」で済ませるところかもしれません。しかしこの作品での描写は、私自身が数年前に心筋梗塞で死にかかったときに感じた生理的な感覚と心理的な恐怖に非常に似ていて、経験者でないだろうによくここまで書けると感心しました。

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