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彼女が愛した男
小池真理子彼女が愛した男 (角川文庫,1988年)
ISBN4-04-149410-9

誘拐犯と人質の間に生まれる愛というテーマです。愛が生まれるプロセスのところがちょっと説得力に欠ける気がします。本書ではこの男女の外見的な描写がないのですが、「人間、顔じゃないよ」とはいいつつ、やはり人はまず「顔」に人間性を見るのだし、短期間に引きつけ合うときは、その肉体的要素もかなり作用するのではないでしょうか。性格とかこれまでに歩んできた人生を背景として語っていますが、数時間の間に愛に落ちるといのは、僕には感情移入できませんでした。高村薫『照柿』では、女の眼の表情にその神秘を集中させていましたが、よくわからないながらも想像力を刺激したことは確かです。

以上のような不満もあるのですが、途中の逃避行から、最後に結末に向けて一気に盛り上がるところはさすがに迫力があります。

これも「出張用未読本」でした。

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